水道橋は東京の地名として有名ですが、その名前の由来はご存じですか?
実は水が通る橋だったんですって。
それも、あの徳川家康が江戸に赴任してきた時に始めた治水事業だったって言うんだから驚きです。
今も、水道橋駅からお茶の水に向かう川沿いに、欄干図や石碑が残っていたり、掛樋(かけひ)のモニュメントを見つけることができます。
どんどん歩いて行くとさらに東京都水道歴史館があって、家康の政策から始まった江戸に水を引くという、水の道400年の歴史がわかります。
水道橋の欄干に描かれた絵からはじまって、石碑や掛樋を見ながら歴史館までの散歩道をご紹介しますね。
水道橋から神田川を下って歩いてみた
水道橋はJR水道橋駅東口を降りて左手にある大きな橋です。
水道橋の欄干に描かれていた絵
水道橋の近くには読売巨人軍の本拠地である東京ドームやラクーアなどのアミューズメント施設、中学、高校、大学と学校が多い場所です。
もちろん東京の中心地なので大手企業が集まるオフィスビルも複数あります。
JR水道橋駅は一日平均17万人以上が利用するんですって!
日常的に利用者の多い橋なので、私は普段ゆっくり歩くというよりは、足早に通ることが多いです。
しかし今日、ふっと欄干のたもとに目を向けると、絵があることに気づいたんですよ。
あれ、こんなところに絵があったっけ?
銅板のようなプレートに描かれている絵は年月が経って汚れています。
今まで気付くことなく通っていたので、ちょっとその絵を見てみると、
川に小舟が浮かんでいて船の上に橋が架かっています。
昔の水道橋の絵だな?と思ってみていると、プレートの上に
「水道橋の名は、この先の少し下流に架け橋があったことが由来です」
と書いてあります。
水道橋の名前の由来?
学生の頃から利用している水道橋ですが、名前の由来など考えたこともない。
橋の欄干にこのような絵付きのプレートがあるってことは、何か特別な由来があるのかしら?
下流に行けば何かわかるのかな?
今日の散歩は神田川を下ってみることにしました。
観賞用水路と分水路の碑
今いる場所は水道橋からお茶の水方面に行く横断歩道です。
信号を渡り、まっすぐに坂道を進みます。
神田川がどこを流れているかというと、写真右側、白いシャツを着た男性の後ろに見える橋の欄干の下を流れています。
神田川の流れに沿って歩いてみます。
・観賞用水路
信号を渡ってすぐに目に入ったのは石で出来た大きなモニュメント。
これはなんだ?
注意書きの札があって、「この水路は観賞用の水路です。中には入らないでください。」と書いてありました。
水が流れていれば子供が水遊びすることもあるでしょうが、わざわざ中に入る人がいるとも思えないけれど。
腰掛ける場所があるので、ちょっとした憩いのスペースになっています。
モニュメントは橋客のような上に線が連なっています。
橋の上を水が流れているようにも見える不思議な建造物だなと思いながら、進みました。
・お茶の水分水路
しばらく歩くと、古ぼけていて読みずらい石碑がありました。
よく見ると「神田川分水路事業 お茶の水分水路」と書いてあります。
分水路「跡」ではないから、ここが分水路ってことかしら?
スマホでしらべてみたら、この道の下には分水路があるみたい。
分水路というのは、ここ神田川が洪水で溢れ出ることを防ぐために、川の途中に人工的に新しい川を作って水を逃がす人工水路です。
へー、神田川は防災的にも優れた川なんですね。
この川があふれるとおもうとこわいと思って川を覗いてみると、今は穏やかに流れています。
目に見えないところで災害を防ぐ設備が整えられているんだな、ありがたいな。
散歩をしていると普段は意識していないことを知ることが出来て楽しいですね。
先ほどのモニュメントなども、水道橋は水に関係のあるものが多いのかもしれない。
そんな思いを持ちながら歩き続けました。
水道橋は水を運ぶための橋だった
「神田上水掛樋(かけひ)跡」
しばらく歩くと又石碑がありました。
掛樋(かけひ)ってなんだろう。
絵が描かれています。
近づいて見てみると、荷物らしき物を乗せている小舟が川を下っています。
その前方には橋のようなものが架かっていますが箱のような形をしていて、人が通る橋のようには見えません。
この絵、水道橋の欄干にあった絵に似ているな。
絵の横には何やら書いてある。
徳川家康が行った事業、神田上水という上水道を江戸に運ぶために、神田川に木製の樋(とい)を架けて神田、日本橋方面に給水していました。
明治34年まで東京市民の飲み水を供給し続けた日本最古の都市水道です。
この樋(とい)を掛樋(かけひ)と言ってこの辺りに架けられていました。
えー!水を運ぶための橋があったんだ。
徳川家康が関わった日本最古の都市水道なんですって!
家康ってインフラ整備してたの?
水道橋の古いプレートには「水道橋の名は、この先の少し下流に架け橋があったことが由来です」と書いてありました。
この掛樋(かけひ)が水道橋の由来のようです。
掛樋は水を運ぶための橋、水路橋という意味で水道橋と呼ばれるようになりました。
なるほど、江戸の市中に水を届ける重要な橋だったんですね。
あっ!
先ほどの石で出来たモニュメントは掛樋をイメージしたものだったんだ!
ほほー。
散歩の道すがら見た、「水道橋の絵」、「石のモニュメント」、「神田上水掛樋跡」の3つが繋がりました!
徳川家康が手掛けた「水の道」木や石の水道管と掛樋(かけひ)
俄然、掛樋なるものや水道橋と上水について興味が湧いてきました。
近くに「東京水道歴史館」があるので、さっそく向かいました。
東京都水道歴史館は無料で入館できます。
江戸時代から東京の発展の流れを作った水道の歴史が紹介されている会館です。
家康が入城した際、江戸の地は今よりも海が近く湿地帯だった為、井戸を掘っても良質な飲み水を確保することが困難でした。
そこで家康は江戸の発展のためには上水の開発を命じたようです。
江戸時代は水道の事を上水と呼んでいました。
これが神田川上水で上水道は木や石で作った水道管によって上水井戸に導かれ、そこから水をくみ上げていました。
すごくないですか!
江戸時代に既に水道管があったなんて。
その頃の木や石で作られた水道管を実際に見ることができるんですよ!
・木樋(もくひ)~ 木の水道管
これが、木製の水道管です。
水が漏れないように腐りにくい木を使うなど工夫がされていたようですよ。
このように地面の下に木樋が江戸の市中に張り巡らされていたなんて!
水を使う時は井戸から水を汲み上げられていたことがわかる絵です。
たっぷりの水を使うことができる街は、住む人も暮らしやすい街だったでしょう。
石碑(せきひ)~石の水道管
水道歴史会館の裏手にある公園には遺跡保存されている貴重な石樋がありましたよ。
石の水道管の中をたっぷりな水が流れていたと想像すると、本当にすごいことだなと感心しかないですよ。
家康の先見の目はすごいですね!
江戸時代の発展のためにはまずはインフラ整備が必要だとわかっていたんですから。
水道管を地に埋めたということも現代と変わりないので、当時の技術の高さには目を見張ります。
実際に見ることが出来るなんて、来て良かった。
上の説明からも、神田上水は井之頭の池の湧水を水源として、神田川を掛樋で渡し、神田、日本橋の飲み水として利用した水道であると記されています。
掛樋(水道橋)によって届いた水が江戸の街の生活を豊かにしたことは間違いないでしょう。
水道橋の役割は大きかったですね。
これは掛樋(かけひ)の模型です。
上には人が通って下に水を通しているようにも見えます。
この掛樋、当時も珍しい橋で名所だったようで、江戸時代の絵画にもたくさん描かれていたようですよ。
江戸時代は水道橋のあたりはのどかだったのがわかります。
水道橋は江戸時代は飲み水を通していた水路橋で、日本の水道の歴史に大きく関わっていた橋だということがわかって驚いた散歩道でした。
水道橋付近のホテル
ホテルウィングインターナショナル後楽園
「ホテルウィングインターナショナル後楽園」の特徴は愛犬と一緒に泊まれる客室があることです。
コンチネンタルブレックファーストが無料で利用ができ、数種類のパンやドリンク等を楽しめます。
春日の湯 ドーミーイン後楽園(ドーミーイン・御宿野乃 ホテルズグループ)
「春日の湯 ドーミーイン後楽園(ドーミーイン・御宿野乃 ホテルズグループ)」ホテルの特徴はドーミーイン史上最大級広さを誇る大浴場です。
男女別のサウナ付きの大浴場が人気です。
都会のオアシスでゆっくり寛げます。
東京ドームホテル
「東京ドームホテル」は水道橋の目印となる地上43階の高層ホテルです。
東京ドームシティの中にあるので、観る・遊ぶ・寛ぐを満喫したい方には、ぴったりのホテルです。
まとめ
水道橋の欄干にあった一枚の絵から、水道橋の名の由来を探しに散歩をしました。
今回はよく利用する水道橋が水を運ぶ橋だったこと、東京の水道と深く関わっていたことがわかってびっくりしました。
神田川沿い「神田上水掛樋跡」という碑を読むと名前の由来がわかります。
神田上水の神田川を渡す為の水の橋、「掛樋(かけひ)」が由来です。
掛樋は水を運ぶための橋、水路橋という意味で水道橋と呼ばれるようになりました。
掛樋は当時も珍しく、江戸時代の絵画にも多く残っている名所です。
水道橋のそばには石で出来た掛樋をイメージできるモニュメントもありました。
又その地下にはお茶の水分水路、洪水から東京を守る人口水路があります。
東京都水道歴史館では木や石で出来た水道管を見る事ができ、江戸時代の技術のすごさを知ることができました。
家康が行った治水事業が今も残る欄干図や石碑、掛樋を見ながら水道歴史館までの散歩道を是非楽しんでみてください。
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