私の住む町の隣には、「こんにゃくえんま」という名前の像が祀られているお寺があります。
このえんま王像、こんにゃくをお供えすると眼病が治るという言い伝えがあるんです。
ある日、私はものもらいになってしまいました。
早く治ってほしいため、こんにゃくえんまにお参りしてみることにしたんです。
お参りをしてから数日後、無事にものもらいは治りました。
今まで、お参りをするような病気やけがをしたことはありません。
今回、初めて、ものもらいでお参りをしたことは、私にとって興味深い体験だったのでお話しますね。
ものもらいが出来て、こんにゃくえんまに参拝
私は先日、右目がものもらいになってしまいました。
ものもらいとは、まぶたにある脂や汗を出す腺が炎症を起こすことで、目が赤く腫れて痛む病気です。
私の右目の周りは腫れてぷっくりしてい、かゆくて集中できません。
第一、見た目が悪くなって恥ずかしいので、早く治ってほしいと思っていました。
そういえば、私の住む隣町に、眼病治癒のご利益があると言われる「こんにゃくえんま」があることを思い出したんです。
眼病治癒のご利益のあることを願い、こんにゃくえんまにお参りに行くことにしました。
こんにゃくえんまが鎮座しているお寺は「源覚寺」(げんかくじ)と言うお寺です。
源覚寺へ行くには、東京メトロ「後楽園駅」、都営地下鉄「春日駅駅」どちらの駅からも徒歩3分程なので、交通の便はとても良いです。
私は家から散歩がてら20分程で着きました。
さっそく入ってみると、境内はこじんまりとしていて、左手に、ご朱印やお守りがいただける納経所があります。
都心にあって駅からも近い場所ですが、緑豊かな木々に囲まれたお寺です。
突き当りに見える、朱色の建物「閻魔堂」に向かいます。
私は閻魔堂の賽銭箱の前に立ちました。
わっ、えんま王だ!
えんま王像は、暗闇の中でひとり光を浴びています。
どっしり構えている姿は迫力があります。
お堂は静かで、誰もいません。
私はお参りをするのを忘れて、えんま王像を見入ってしまいました。
えんま王像の目は鋭く見開かれていていますが、右目は盲目です。
眉毛はつり上げ、しっかりした鼻、口は大きく開けられています。
歯がむき出しになっていて、どうみても怒っている様子です。
顔は厳しく、罪人の運命を決めています。
今にも力強い声が耳に響きそう。
怖いな。
私は、はっと我に返って、えんま王像に挨拶をしました。
賽銭箱に小銭をいれて、垂らした縄で鰐口を打ち鳴らします。
礼拝をして、「どうか私の右目のものもらいを治してください。」と心の中で祈りました。
顔を上げると、えんま王像に見つめられているような気がしました。
そして家から持って来たこんにゃくをお供えさせていただきました。
お供えのこんにゃくは、納経所では買い求めることは出来ないので、あらかじめ用意すると良いですよ。
こんなに多くのこんにゃくが台の上に供えられているなんて、驚きました。
ここにお参りに来る方は、目の病が治るよう、こんにゃくをお供えして祈る人が後を絶ちません。
この日も境内には、お参りに来ている人々がいました。
えんま王像に手を合わせたり、お賽銭を入れたり、お守りを買ったりしています。
盲目の右目から感じた、えんま王の優しさと厳しさと慈悲。
閻魔堂の横にある説明書きによると、こんにゃくえんまの言い伝えはこうです。
ある老婆が眼病で苦しんでいたとき、えんま王像に祈願しました。
すると夢の中でえんま王が現れて、自分の片目を老婆に与えました。
目が見えるようになった老婆は、感謝の気持ちを込めて、自分の好物だったこんにゃくをえんま王像に供え続けました。
それからこの像は「こんにゃくえんま」と呼ばれるようになったのです。
私は子供のころ、えんま王はウソつきの舌を抜いたり、死者の行く末を決めたりする、恐ろしい地獄の主だと聞かされていました。
しかし、こんにゃくえんまは自分の目を差し出して人を助けたり、老婆の供物を受け取ったりする、優しくて寛大な神様なのですね。
こんにゃくをお供えする台の後ろに閻魔王像の写真が立てかけてありました。
迫力があるお顔です。
私は改めて、賽銭箱の前に立ってえんま王像を拝見しました。
不思議と怖さは感じません。
以前、私がものもらいになった時は、目の痛みと腫れで、目薬を差していてもなかなか治りませんでした。
本当に治るのか、不安で眠れないこともあったんです。
今の私の顔も、右目のまわりがぷっくりと腫れて、痛みと痒みがあります。
以前と同じ状態ですが、不安は感じません。
先程、えんま王のお顔を拝見した時、盲目の右目から何かが伝わってくるような感覚を覚えたんです。
それは優しさと厳しさと慈悲というような感情でした。
えんま王から、「大丈夫、いましばらくの辛抱、日が経てば治る」と言ってもらえたように感じて安心したんです。
前回のものもらいになった時とは違って、今回は不安なく治癒するまで待つことができます。
不思議と気持ちが楽になりました。
健康であることは、昔も今も変わらぬ人間の願い
私はえんま王像にお参りした後、源覚寺の他の場所も見てまわったのですが、びっくりしたのはこちらのお地蔵様です。
「塩地蔵」ですって!
2体のお地蔵様?
お顔はどこ?
上の方は白く尖がっていて、赤い帽子のようなものが乗っています。
この白いものはすべて塩です。
この塩の山を掘るとお地蔵様がいらしゃるのかしら?
ちょうど、お寺の方と出会ったので、お地蔵様の事を聞いてみたんです。
塩の中にお地蔵様の姿があるのか、永年の塩分で劣化してしまっているのかは、お寺の方も、わからないんですって。
塩は石のように固くなってしまっているので、どうすることもできないそうです。
説明書きを読んでみると、源覚寺が開かれた1624年以前からこの地にあるお地蔵様だそうです。
えつ、400年以上前?すごっ!
お地蔵さんの体に塩を付けてお祈りすると、身体と同じ部分の病気が治ると言われているんですって。
写真中央の下に見えるのがお賽銭箱です。
お寺の方から参拝の仕方をおしえていただきました。
お賽銭箱の上に架かっている、枝の先に丸い輪っかのある「錫杖」(しゃくじょう)で、塩を乗せた部分をなでるそうです。
さっそくお参りをしたいと思います。
塩は納経所で100円で購入しました。
袋に入っていた塩はこれくらい。
最近、肩こりがあるので、この塩はお地蔵さんの肩に乗せたいと思います。
もはや、どの部分がお地蔵さんの肩なのか、わかりません。
きっとこの辺りだろうと思う箇所に塩をあてましたが、塩は下に落ちていきます。
なるほど。だから、足元にこんなに多くの塩が溜まるんですね。
肩だろうと思う箇所を錫杖で優しくぽんぽんとさすります。
そして、手を合わせてお参りをしました。
お地蔵さんの周りにある塩の量をみるだけでも、永年多くの人々から信仰されていることがわかります。
「塩地蔵」は、健康を願う人々の心を表しているんですね。
その心は、今も昔も変わらないものです。
私は境内を散策しながら、目の痛みや腫れが和らいでいくのを感じました。
肩の重さも取れて、なんだかすっきりとした気分になりました。
えんま王像に感謝の言葉を述べて、家に帰りました。
こんにゃくえんま源覚寺付近のホテル
東横INN後楽園文京区役所前
「東横INN後楽園文京区役所前」はこんにゃくえんま源覚寺まで徒歩2分の距離にあります。
東京ドーム、講道館、日本武道館などの観光スポットに近いです。
無料の朝食が提供されます。
春日の湯 ドーミーイン後楽園(ドーミーイン・御宿野乃 ホテルズグループ)
「春日の湯 ドーミーイン後楽園(ドーミーイン・御宿野乃 ホテルズグループ)」の特徴は広々とした男女別の大浴場があり、サウナや水風呂も完備しているところです。
サウナはテレビ付きで夜は無料の夜鳴き蕎麦の提供もあります。
こんにゃくえんま源覚寺には徒歩で行くことができます。
リッチモンドホテル東京水道橋
「リッチモンドホテル東京水道橋」は東京ドーム、東京ドームシティが目の前にあり、コンサートや野球観戦にも便利です。
こんにゃくえんま源覚寺には徒歩圏内です。
まとめ
私はものもらいができたので、源覚寺の「こんにゃくえんま」にお参りにいきました。
こんにゃくえんまは眼病にご利益があると言われています。
えんま王像は、眼病で苦しむ老婆に自分の片目を与えました。
老婆は感謝の気持ちで、自分の好物だったこんにゃくをえんま王像に供えたことから、こんにゃくえんまと呼ばれるようになりました。
えんま王の前にはたくさんのこんにゃくがお供えされています。
えんま王は、恐ろしい地獄の大王と言われていますが、私が見たえんま王像は優しさと厳しさと慈悲のある神様に感じました。
えんま王像のお顔を拝見していると、不思議に不安が無くなって、治癒まで待つことができました。
源覚寺には塩に埋もれて、姿がわからない塩地蔵にはびっくりしました。
お地蔵さんの体に塩を付けてお参りすると、身体と同じ部分の病気が治るといわれます。
石のように固くなった大量の塩からも400年間もの長い間、健康を願う人々に信仰されてきたお地蔵さまだということがわかりました。
健康を願う心は今も昔も変わりません。
お近くにおいでの際は源覚寺で健康をお祈りしてみてください。
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