鳩山会館をご存じですか?
鳩山会館は大正13年に建てられた、ものすごーい洋館なんです。
今は記念館として一般に公開されています。
何がすごいのかといいますとね。
鳩山家と言えば、4代に渡って指導的な政治家を務める華麗なる一族なんです。
その一族が70年に渡ってお住まいになられた鳩山会館は、通称「音羽御殿」と呼ばれていました。
「御殿」と呼ばれるだけあって、すべてが個人邸の次元をはるかに超えているんですよ。
その上、重要な政治の舞台となった邸宅と言われているんですから、さっそく見学してきました。
名誉、財力、権力を兼ね備えた歴史あるイギリス式洋館は、どこか違う世界に迷い込んだようです。
邸内には当時、超高級品であったステンドグラスがいたるところにあります。
大正ロマンあふれるステンドグラスを紹介しますね。
洋館と言えば、庭園でしょう。
もちろん、鳩山会館にはバラが咲き誇る庭園があります。
鳩山会館のバラの見頃と開花状況をお伝えします。
鳩山会館へは2つの駅を利用することが出来るのでアクセスは良いですよ。
2つの最寄り駅からの行き方もお伝えしますね。
鳩山会館へのアクセスと最寄り駅から入り口までの行き方
最寄り駅は、東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅 出口2」「護国寺駅 出口5」です。
鳩山会館は江戸川橋駅と護国寺駅のちょうど中間にあります。
東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅からのアクセス
東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅出口1Aから出ます。
鳩山会館までは約10分です。
江戸川橋駅1A出口の階段を上がります。
まっすぐ進んでください。
横にある大通りは「目白通り」です。
少し歩くと左手に果物屋さん(野菜もありました)があるので、お店の正面の横断歩道を渡ります。
横断歩道を渡り切ったところのファミリーマートを左に進んでください。
大きな交差点「目白坂下交差点」です。
交差点の先からは通りの名前が変わって「目白通り」から「音羽通り」になります。
音羽とはこの辺りの地名で、鳩山会館は別名「音羽御殿」と言われています。
鳩山会館の入り口に着きました。
江戸川橋から入口まで徒歩7分なのでアクセスはいいですね。
ここから3分程坂を上がった高台に鳩山会館があります。
東京メトロ有楽町線 護国寺駅からのアクセス
東京メトロ有楽町線 護国寺駅出口5を出ます。
鳩山会館までは約11分です。
東京メトロ有楽町線 護国寺駅出口5を出ると、目の前の大きな通りは「音羽通り」です。
音羽通りの向こう側に見える建物は、日本有数の出版社の講談社です。
歴史が感じられる古い建物で重厚感があります。
さて、護国寺駅出口5から出たら左に進みます。
駅から少し歩いたところに、行列が出来ているお店があります。
豆大福で有名な「群林堂」さん。
「東京三大豆大福」のひとつとして名前があがる老舗和菓子屋さんです。
まっすぐに進むと左側に鳩山会館があります。
少し奥まったところに門がありますが、すぐにわかります。
鳩山会館入口に着きました。
護国寺駅から徒歩8分なのでアクセスはよいです。
ここから坂を3分程上がると鳩山会館です。
鳩山会館は門から邸宅までは長い坂道
鳩山会館の入り口の門を入るとすぐ、急な上り坂があります。
結構な勾配のある長い坂道です。
もうここは敷地内なんですよ。
木々が生い茂っています。
都内の大通りを歩いてきたとは思えないほどの樹木の多さに驚きます。
木々の間から自宅らしき建物は全く見えないんです。
どこまで登るのかしら?
坂を上がるにつれ、大通りの喧騒は無くなって静かになります。
木々の向こうから、竹ぼうきで掃除をしているシュシュという音が聞こえてきました。近頃、めったに聞くことが無くなった音と緑の風景が何とも言えず心地よいです。
鳩山会館です。
戦後、内閣総理大臣を務めた鳩山一郎氏の自邸です。
なんなんだ、この家は!
映画や絵本に出てくるような洋館で溜息がでます。
この素敵な洋館は大正時代に建てられたもので、華麗なる一族である鳩山ファミリーがお住まいになられていました。
今は鳩山会館として一般公開しています。
鳩山会館にはいたるところにステンドグラスがある!
・目がテンになる玄関
大理石の階段に赤い絨毯が敷いてあります。
その手前には車寄せがあります。
ホテルじゃありませんよ!美術館でもありません!何度も言いますが、鳩山一郎氏のご自邸です。
執事が「旦那様、お帰りなさいませ」って言っていた(に違いない)玄関です。
・鳩山会館の入館料
鳩山会館は有料の施設です。
階段を上がったところにある販売機でチケットを購入します。
シルバー 500円(65歳以上)
障害者 400円(同伴者1名)
学生 400円(高校生以上)
小中学生 200円
団体20名以上 各料金100円引き
・玄関のステンドグラス
入館料を支払ったら、玄関を振り返って壁の上を見てください。
素敵なステンドグラスですねー。
あの位置にあることによって、白い壁が華やかになりますね。
きれいな水色です。
数えてみると鳩が19羽もいますよ。
羽を閉じて休んでいる鳩もいます。
総理も一日の勤務が終わって家の玄関に入るとホッとされたのでしょうね。
館内には鳩山氏の苗字から「鳩」をモチーフとしたステンドグラスが多くあります。
遊び心がありますね。
鳩山会館のステンドクラスは小川知三氏という日本初のステンドグラス作家が制作したものです。
・第1応接室
茶を基調にしたシックな部屋です。
南側の窓から光が差し込んでいて、温かみが感じられます。
洋館に付き物といえば、暖炉です。
ちゃんと鏡の下に暖炉がありましたよ。
照明がろうそくのようでかわいいですね。
こちらにはテレビがあって、鳩山会館について説明をしてくれます。
窓のステンドグラスは、ヨーロッパの紋章に似ています。
鳩山家の紋章なのでしょうか、左右それぞれに3羽の鳩がいます。
赤い部分に縦に並んでいる小さな鳩がかわいいですね。
このステンドグラスの後ろには、木々と緑が見えます。
これ、借景(しゃっけい)という造園技術の1つです。
景色をちょっと借りて部屋にいながら四季の移ろいが感じられるんですって。
素敵すぎます!
上流階級の趣味のよい暮らしってこういうのを言うんですね。
伝統の技法と近代化のステンドグラス、大正ロマンの香りがぷんぷんです。
・第2応接室
白を基調とした明るい部屋です。
この部屋は重要な政治の舞台になった部屋です。
鳩山氏が首相当時、自由党(現在の自民党)の会合のばとしても利用されていました。
白いテーブルの向こう、お誕生日席に位置する椅子は鳩山一郎氏の愛用の椅子です。
鳩山氏はこの椅子に座りながら要人たちと政策を議論されていました。
この部屋で日本の行く先を議論されていたと思うと感慨深いですね。
日本政治史に大きな影響をもたらしたお部屋にもステンドグラスがありました。
白を基調にした部屋によく合う、かわいらしい品のある花です。
このお花たち、政治家たちの重要な話し合いを聞いていたんですね。
いい話もダークな話もね。
右から2番目のお花の中に鳥がいるんですよ。
洋風なのにどことなく日本画っぽい。
花鳥風月って言葉が似あう、風情のあるステンドグラスです。
照明もすてきですね。
シャンデリアのような派手でない、上品で無駄のないデザインです。
もー、何もかも素敵な邸宅に心が弾みます。
ステンドグラスの向こう側の部屋はサンルームで、庭に出ることができますよ。
・サンルーム
ガラス窓から差し込んでくる陽光が暖かいです。
ここでお茶を楽しみながら優雅なゆとりのある時間を過ごしてみたいものです。
かつては新聞記者の待合室として使われていました。
待合室にはもったいないような気もしましたが、ここは政治の重要な邸宅ですものね。
・食堂
食堂は床がピッカピカに磨いてありました。
当時もきれいだったんでしょうね。
手入れが行き届いていている床からも上流さが伝わってきます。
食卓はものすごく大きい訳でもなく、アットホームな様子が想像できます。
この食卓を囲んで楽しい会話もあったのでしょうね。
ステンドクラスは「ライチの実」です。
オレンジ色の枠がステンドクラス全体をきりっと引き締めているように見えます。
ライチの実が木になっている姿って見たことありますか?
私は中華料理のデザートでしか食べたことが無かったので、最初は何か分かりませんでした。
食卓の上にステンドグラスの概説があって、「食べるがテーマでライチの実です」と書かれていました。
大正時代にライチは食べられていたのでしょうか。
・2階に上がる踊り場
邸内で一番大きなステンドグラスがあります。
大正時代に、一個人の邸宅にこんなに大きなステンドグラスがあるなんて!
当時ステンドグラスは超高級品だったそうですよ。
これぞ鳩山家です。
和風の絵柄も素敵です。
赤い絨毯が敷いてある階段、鳩山由紀夫氏(現国会議員)も幼少の頃は2階から駆け降りたり、ジャンプしていたのかな?
そして、「おぼちゃま、危ないですよ」なんて言われてたんだな。(と勝手な想像)
ステンドグラスは奈良の法隆寺の五重塔がモデルと言われています。
下から見ると山の色が明るい緑色に照らし出されていますね。
2階から見下ろすと、山の色は濃く見えます。
見る角度によって、違った見え方ができるんですね。
きっと、見る時間や季節によっても変わることでしょう。
五重塔の上空を鳩たちが、悠々と飛んでいるように見えます。
夕ぐれに見たら鳩たちはねぐらに帰えるように見えるのかもしれませんね。
鳩山会館のバラの見頃と開花状況
鳩山会館はバラの名所としても知られています。
バラの見頃の頃はたくさんの人でにぎわいます。
バラ園自体はこじんまりとしていますが、(といっても個人のお庭としてはすごいですよ)丁寧に手入れされている色とりどりのバラを楽しむことができます。
バラの他にもコイがたくさん泳いでいる池もありますし、離れの家もあります。
裏山もあるんですよ。
お庭には銅像も立っています。
鳩山一郎氏はバラがお好きでした。
小菊のような可憐な花よりバラが好きっていうのも大物らしいですね。
2000坪の敷地には約90種類、140株のバラが咲き誇り、春と秋の2回楽しむことが出来ます。
素敵な洋館にバラの花が咲くお庭、子供のころにあこがれた夢のような住まいです。
バラの見頃は
春のバラは5月中旬から6月初旬頃
秋のバラは10月下旬から11月中旬
私が訪れたのは11月の中旬以降でしたので、バラの見頃のピークからは過ぎていました。
秋バラを楽しむのなら、11月上旬に訪れることをお勧めします。
晴天にめぐまれ、まだまだきれいに咲いているバラを楽しむことができました。
バラのアーチはすでに終わっていました。
アーチにバラが咲いていたらとてもきれいでしょうね。
裏庭に咲いているバラです。
裏には和風の離れ家があり、家の窓からバラを見ることが出来ます。
鳩山家の人々はバラの咲く頃は、母屋からも離れ家からもバラを見ながら過ごしていたのですね。
素敵な生活ですね。
太陽の光をいっぱい浴びて咲いているバラは、凛としてやっぱり素敵です。
奥に見えるのは鳩山一郎氏の像です。
花の中でもバラを好んだと言われる鳩山氏。
赤やピンク、黄色いバラを囲んでのお姿も素敵ですね。
鳩山会館近辺のホテル
ホテル椿山荘東京
「ホテル椿山荘東京」ホテルは鳩山会館から徒歩一番近いホテルです。
都会の中にある森のような庭園は、高層ビル街とは違った開放感と静けさを提供してくれます。ここでは、自然と一体になってリラックスできます。
UNPLAN kagurazaka
「UNPLAN kagurazaka」は鳩山会館まで徒歩15分です。
地下鉄神楽坂駅徒歩3分に位置しますので歴史ある和の情緒が漂う神楽坂界隈も楽しむことができます。
「ヴィアイン飯田橋後楽園(JR西日本グループ)」
「ヴィアイン飯田橋後楽園(JR西日本グループ)」ホテルは飯田橋駅から徒歩5分です。
朝食での5つ星お米マイスターが特別にブレンドしたお米を使用したご飯や焼き立てパンが堪能できます。
まとめ
東京都文京区音羽にある鳩山一郎氏の旧邸宅「鳩山会館」に行ってきました。
鳩山家と言えば、4代に渡って政治家を輩出した名門です。
華麗なる一族が70年に渡って過ごした邸宅は、政治の舞台にもなった洋館です。
「音羽御殿」で知られていた邸宅には、大正ロマンが感じられる美しいステンドグラスが至る所にありました。
中でも、階段の窓にある五重塔のステンドグラスは圧巻でした。
鳩山一郎氏がバラを好んだこともあり、庭園には春と秋にバラの花が咲き乱れます。
秋バラの見頃の時期は10月下旬から11月中旬です。
鳩山会館へのアクセスは東京メトロ有楽町線江戸川橋から10分、護国寺駅から11分です。
それぞれの駅からの行き方をご紹介しました。
イギリス式洋館の生活にタイムスリップしたような気分が味わえます。
ぜひ、鳩山会館へお出かけください。
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